ラウンド

苦痛との闘い

Massage

 

「うっ、痛たたたっ。」

初ラウンドを終えた俺は、身体に異変を感じた。

「こっ、腰が痛くてしゃがめないじゃないかっ。」

靴下を履こうと身体を屈めようとした俺だが、
腰が痛くて足を曲げる事もままならない。
特に、右腰、背骨の横側辺りに鈍痛が走っている。

さらには、太もももパンパン。肩もカチコチ。
首の可動範囲も狭くなって身体全体が硬直しきっている。

今シーズンの初ラウンドは、俺の心をズタボロにしただけではなく、
この強靭な肉体までを侵しているというのか!

「こんな状態じゃ、日常生活にも支障をきたすぞ。」

ラッスンゴレライが流行る前から「スパイダーフラッシュローリングサンダー!」を繰り出していた俺は、
この硬直しきった身体を一刻も早く改善するために「奥の手」を使う事にした。

その「奥の手」とは、
「マッサージ」という術だ。

最近、俺の住んでいる街にも「全身もみほぐし」とか「手もみ60分¥2,980」とか
いう看板が目立ち始めた事に気づいていた俺は、
今回だけは「自己治癒力」を諦める決断をしたのだった。

「でもな。一体どこのお店がイイのかよく分からないぞ?」

やはり、マッサージとなれば「上手い人・下手な人」がいるのは世の常だから、
出来るだけ「上手な人」にやってもらいと思うのは当然の事だ。

しかし、今まで桃色以外のマッサージに目もくれなかった俺には、
どこのお店に「マッサージのプロ」がいるのかは分からない。

そそくさとグーグル先生に「長野 マッサージ 上手」と聞いても
何の答えも返してくれなかったので、持ち前の鋭い嗅覚と野生の感を働かして
ある一軒に目星を付け早速予約の電話をしたのだった。

「すみませんっ。これからって予約できます?」

まだ辺りは明るい昼下がりだった。

「はい、1時間後でしたらお取り出来ますよ。」

その言葉を聞いて速攻申し込みを済まして車を飛ばした俺だった。

「あの~、先ほど予約したむらですけどっ。」

初めての入店に少し不安を感じながらも、
とりあえず名前だけは伝えることが出来ていた。

「コースは、全身もみほぐしの60分でいいんですよね・・・?」

受付にいた小柄な女性はそう俺に聞きながら、
問診票みたいなものを渡してきた。

「あっ、はい。ちなみに担当は男性ですか女性ですか?」

この岩石の様に固まった俺の身体をもみほぐすとなれば、
女性の優しいタッチでは絶対無理に等しい。
しかも、もし間違って下半身がさらに硬くなってしまったら俺の男としての威信も地に落ちてしまう。
そんな危険なリスクを回避するためにも俺は「男性マッサージ師」を指名したいのだ。

しかし、返ってきた言葉は、
「順番ですので、しばらくお待ちください・・・。」だった。

とりあえず、だだっ広い待合室で使い古された漫画を読みながら待っていると、
先ほど受付で俺に問診票を渡してくれた小柄な女性が目の前にやってきてこう言った。

「私が担当しますので、こちらにどうぞ・・・。」

なにっー!あなたが俺の担当だって!?

俺の目の前には、身長150cmにも満たない少しやつれた顔をした
色白でか細い女性がユラ~としながら立っている。

年のころはたぶん30代後半から40代半ばくらいか。

声も小さく何かに脅えたようにヒソヒソと話す様子からは
「マッサージ師」という姿は微塵も感じられない。
きっと街ですれ違ってもその存在すら気付かないだろう。
世の中をひっそりと暮らしている小柄な女性が、
この俺のエアーズロックの肉体をもみほぐすとは。

きっとそれは不可能だろう。
いや、絶対に不可能だと俺は思う!

もしあなたが施術したならば、それはまさしく「拷問」だ。
誰が見ても、そのきゃしゃ過ぎる身体と全く筋肉が付いていない二の腕では
そもそもマッサージすることだって無理に違いない。
もしかしたら、力の入れ過ぎで途中で腕が折れてしまうかも知れないんだぞ。
それを60分間もやり続けなければならないあなたは、同時に苦痛にもがき苦しむ事になるのだ。
いくら仕事とはいえ、そんな残酷な事はさせられないぜ。

しかし、俺の心の主張は本人に全く届くことがなく、
俺は言われるがままにベットにうつ伏せになって横たわった。

「特に重点的にもんでほしい所はありますか・・・?」

やっとの思いで絞りだしたか細い声でそうつぶやいた女性に俺は、
「腰!」と一言だけ発して身を任せる準備を整えた。

「でもなぁ。ほんとにもみほぐせるのかなぁ?」

初めて受けるマッサージと、担当してくれる女性に一抹の不安があったが、
もうここまで来た以上は俺も腹をくくらなければならない。

「まぁ、イマイチほぐれなかったとしてもしょーがないよな。
こんなに全身こってるんだし。」

しかし次の瞬間、俺のその不安はアッと言う間に覆された。
その女性のマッサージ、とにかく「強い」のだ!

「これでもか!これでもか!!」と言うくらい俺の肉体を掴んで押してくる。
あなたの体のどこにそんな力があったの?と言うくらいの強さでガンガンと俺の身体を攻めてくる。
思わず「うっ!」と声が漏れてしまいそうになったがそれは何とか我慢した。

もし、こんなか細い女性のマッサージに「声出した」という評判が世間に知れ渡ってしまったら、
俺は「ゴルフが下手」と言う状態に併せて「女々しい男」と言うレッテルまで張られてしまう。

それだけは、それだけは絶対に避けなければならない!

奥歯をグッと噛んで声が出るのをひたすら耐えていた俺に、
どうやら「あれ?まだ力が足りないのかな?」と勘違いしたのか、
マッサージの力は遂に「強い」を通り越して「痛い!」に突入していった。

「ちょっ、ちょっと待て!
あなた俺に何か恨みがあるのか?
どうしてそんなに力を入れて俺の身体を痛めつけるんだ!?」

俺の心の声はさらに大きくなっていった。

「だから、ちょっ、ちょっと待てって言ってるだろ!
俺は「親の仇」なのか?あなたが小さい時に親と決闘をして倒した男なのか?
何でそんなに渾身の力を振り絞って俺の身体を痛めつけるんだ!?」

ここで、「痛い」と声を出してしまうのは簡単な事かもしれないが、
それは俺のプライドが頑として許さなかった。

こんなか細い女性に、
俺の半分くらいしか身長も体重もない女性に、
色白で少しやつれた表情でも頑張って体力労働をしてくれている女性に
「痛い!」と声を上げる事は、男として、いやアマゴルファー・むらとして
絶対にしてはいけないんだ!

耐えろ!耐えるん俺!!
この苦痛にもきっと意味があると思ってひたすら耐えるんだ!!!

そして俺は、
60分間の拷問に耐え抜き、
さらに痛くなった身体と心を引きずって家路についたのだった・・・。

 

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コメント

    • マル
    • 2016年 5月 10日

    むらさん、怒濤のラウンド報告です。
    out43、in44の87点でした。
    前回は只のまぐれと思っていましたが、もしかして、実力?
    怒濤のラウンド報告、第3弾は来週中に!

    • やばいですっ。かなりヤバイですね、そのスコアは!?
      むら的考察では、「まぐれ」ときたら次は「奇跡」。
      で、もし3回目でも「80台」でしたら、それは本当の「偶然」ではなく
      「実力」だと思いますっ!(笑)
      いや、奇跡でもいいから一度そんなスコアを出してみたい!!

  1. むらさん、ストレッチもマッサージも「ちょいいてて」程度にしないとですよ~。

    うちのちび@21歳は時々、60分、2,980円に行ってます。
    が、日々の姿勢の悪さ(携帯でゲーム)から痛さも忘れ楽しんでます。

    あ、先日1年4か月振りのGOLFで筋肉らしいです・・全身と特に腹筋らしい。。
    腹筋ちゃんと使って打ってるんだ!!でちょっといらっとしました(笑)

    スキーやってる時は痛くならないのですか?
    ワタシはスキーの時の方が辛かったような・・・・

    時々で余計なとこに力が入っているんでしょうかねぇ

    • 私はどちらかと言うと「ソフトタッチ」が好みなんですね。
      えぇ、決して「ハードM」でもありません。名前はむらですけどっ。
      そーですか、やっぱり「出来る人」は教わらなくても「出来る」んですね。
      で、「出来ない人」は教わっても「出来ない」みたない。
      世の中って不公平だと思いませんか?同じく。(笑)
      スキーは、「斜面を降りる」ので、力は使いませんよ。全くと言っていいほど。
      という事は、クラブも「下すだけ」だから、もしかして私も・・・!?Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

      • 変なとこ力入ってる(た)んですね・・ワタシ。昔々、2歳のちびが寝てしまったので神立高原というところをおぶってボーゲンで降りるのが精いっぱいのレベルなワタシです。
        力を抜いて頑張りましょ~・・・・・・・・・・お互いに。

      • いやいやいや、それは誰でも力が入りますって!
        「転んじゃダメだ、絶対に!」みたいな状況ですし。
        で、ちなみにボーゲンは「一番力が入る滑り方」ですよ~。(笑)

    • ラディのパパ
    • 2016年 5月 05日

    むらさん、こんばんは~!

    なにやら「マッサージ」と聞くと、下心が疼きますよね?
    あんな所やこんな所を若い女の子と、それそ~れ~ってね。
    ははは…
    まぁ、オヤジの戯言なので、そこはスルーして下さいね(;’∀’)

    実は、わたしも年々、体力の低下を感じています。
    バックナインの出だしで「ヘロヘロ」になっていることも度々ですよ。
    もうね、歩くのも嫌になっちゃうくらいなんですよ。
    これじゃあいけないって事で、犬の散歩に力を入れてみたりするんですが…
    その程度の運動量じゃ何とも効果が表れないんですよね~。
    若い頃は、2~3日寝なくても平気だったのに…
    これが「老いる」と言う事なんでしょうね。

    あと何年ゴルフが出来るのか?
    あと何回、桜が見れるのか?
    そんな年代になって来ちゃいましたね~。

    お互いにいつまでも元気で、ゴルフが出来るといいですね~(*´ω`)

    • あら、そーですか?そんな年齢ではないと思いますけどっ。
      でも確かに、ゴルフって体力を使いますよねー。
      私も1ラウンド終了後には「ヘロヘロ」になっていますっ。
      で、その翌日の整体は絶対に欠かすことできない状態になってますねっ。(汗)

      女子プロの人で「下半身強化」して成績が良くなった人多いじゃないですか。
      あのボミさまだって、実際に「パンパン」していましたよ。

      あと何年?とカウントダウンすると淋しい気持ちになっちゃうので、
      これからは「目先の事だけ」考えて、お互い「楽しいゴルフライフ」にして行きましょうーネ。

        • ラディのパパ
        • 2016年 5月 09日

        あ~あ…
        長かったGWも終わってしまいましたね~。
        振り返ると特に何をしたわけでもないけど、それなりに忙しく過ぎた日々でした。
        むらさんの10連休は、どうでした?

        さて、GW最後の日曜日に行って参りました。
        場所は、ホームコースの秩父です。
        前半53打、パット19、後半48打、パット16、計101打、35パットでした。
        先日来、気になっていたスイングもかなり改善出来た感じです。
        特に後半は、納得のいくラウンドになりました。
        今までは「あれっ?スコア48で回れちゃった!」って感じでしたが、今回は「うん。48ね!」と、納得の感覚で回ることが出来ました。
        この感覚を忘れずに次のラウンドへ生かしたいと思います。

        わたしの使っている、このホームコース。
        かなりお安くできるので、よく使っていましたが「アップダウン」が多すぎるんですよね。
        距離は短いけど「アップダウン」でやられちゃう感じですかね~。
        ホームコースとしては、ちょっと厳しい感じなんですよね。
        いや、厳しいと言うよりも疲れると言う感じですか…(;^ω^)

        で、もう少し足を伸ばしたところにあるゴルフ場をホームにしようか検討中なんです。
        そちらは「程よいアップダウン」らしいんですよ。
        もしくは「ほぼフラットに近い」感じか。
        今度の日曜日に予約を入れてあるので、下見がてらのラウンドをして来ます。

        あっ!
        そうそう、昨日のラウンドでママがベスグロを出したんですよ!
        前半61打、21パット、後半56打、19パット、計117打、40パット。
        最近、ママが上り調子なんですよね~。
        うかうかしてるとわたしより良いスコアで回っちゃいそうなんですよ。

        わたしもそろそろ「本気」を出さないといけないなぁ~( ̄▽ ̄)

      • 長い休みだったので、「思いっきり満喫!」しようと計画していましたが、
        突然「身体の不調」に悩まされて、「病院通い&療養生活」の休みでしたっ。
        ただ「ゆっくり過ごせた」ことだけは間違いないんですが・・・。(^^;

        今度はホームコースでのラウンドだったんですね?
        確かに「後半が良い!」ところに一味違うパパさんがいた様ですね!
        イイじゃないですかー。「後半崩れる」今ままでとは打って変わって。(笑)

        アップダウンが激しいコースであれば、狙い目なども「ピンポイント」で厳しいんでしょうね。
        きっとそんな「激しいコース」で鍛えられたのであれば、
        今度行くコースは「楽過ぎちゃう」んじゃありません?
        もしかして「いきなりの80台」に突入しちゃうかも。
        ぜひ、がんばってください。^^

        ママさん、「ベストスコア更新」おめでとうございました!
        女性と男性のハンデは「10打ある」らしいので、という事は、
        もうすぐ私をぶっちぎって「あら、むらさん。まだそんな程度なのかしら?」と
        言われてしまうようですねっ。

        ヤバいですっ。わたしもほんとに「本気(マジ)」にならないと
        ヤバいですっ。(゚Д゚;)

    • かずくん
    • 2016年 5月 05日

    私も少し痛いぐらいが気持ち良くて好きなのですが、本当は撫でるよりも少し強い程度が良いらしいですよ。
    計測器、結構面白いですよ。私が持っているのは6,000円少々でしたが、いつも行くコースを想定して後何ヤードだから何番という風にシュミレーションしています。左右に曲がったときなどは、ラフを想定してティーを高くしてみたり。特に夜や2階席の時役に立ちます。因みにクラブのロフトとボール初速しか見ませんので、トップして、ゴロの玉が200yだったりしますが。
    1万円越えるとスイング軌道何かも分かります。スイングが悪くても、直し方が分からないので意味がないかな?と思い買いませんでしたが。

    • なるほど。計測器を使ってシュミレーションとは、
      なかなか興味深い練習をしていますねー。
      まさか、そんな使い方があったとは!?
      さすがに研究熱心ですね!
      きっとそういうところが「上達」につながっているんでしょうね。
      私も「爪のあかの破片」でも飲んで鍛錬しますよっ!

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